シリーズ:果実のサイエンス ― シャインマスカットから考察する、フレーバー開発の最前線 ― 第3回(全6回) 海外産ブドウを食べたことはありますか? 
2025.08.28 香料コラム

海外産ブドウと国産ブドウでは、香りや味に明確な違いがあります。当社のフレーバー開発部による官能評価では、海外産ブドウは香りが弱い傾向にありました。たとえば、クリムゾン(オーストラリア産)は香り、味ともに弱く、単調な風味でした。トンプソン(アメリカ産など)はグリーンな香りが特徴的で、甘味は強めですが酸味や渋味は弱い印象です。これらの違いは、収穫後の輸送や貯蔵による香気成分の揮発・分解が一因と考えられます。こうした官能評価による分析は、果物の香りを再現するフレーバー開発にも活かされています。 

次回(第4回)は、国産ブドウについて触れていきます。

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