分析研究
香りや味を可視化して、暮らしに新たな彩りを

香りを科学する

私たちが日常生活で感じている香りや味(香味)は、目には見えないものですが、実際には多数の化合物が極めて微量ずつ集まることで形作られています。当社では、この「見えない香味」を可視化することで、それらがもたらす価値をより深く理解し、生活を豊かにすることを目指しています。
具体的には、香味に寄与する新たな成分を発見することや、人が香りをどのように感じ取るのかを調査する研究を行っています。このような取り組みを通じて、人々に安らぎや楽しさ、感動を届ける香りや味の開発を進めています。

分析研究の内容

ABOUT ANALYTICAL RESEACH


天然物の香味分析

香りの原点は天然物といわれており、これまでに数多くの有用香気成分を解明することで香料科学は進歩してきました。当社では、花や果物などの天然物に含まれる香気成分や味成分を、最先端の分析機器を用いて詳しく調査しています。
この分析には、抽出や蒸留といった多様な前処理技術が必要であり、当社ではこれらに関するノウハウを長年にわたり蓄積してきました。適切な前処理方法を選定したうえで、GC-MS、NMR、IR、リアルタイム質量分析計といった高度な分析装置を活用し、得られたデータを解析することで香味成分の構造やバランスを可視化しています。
このような取り組みにより、天然物の特性を最大限に活かした新たな香料開発を実現しています。


香味寄与成分の解明

一般的な分析手法だけでは解明が難しい香味も存在します。しかし、それらの香味成分が、ターゲットの特徴を決定づける重要な要素となっていることも少なくありません。
例えば、リンゴには約350種類、バラには約600種類、コーヒーには800種類以上の揮発性成分が報告されています。しかし、これらすべてが香味に寄与しているわけではありません。また、成分の含有量がそのまま香味への寄与度を示すわけでもありません。
当社では、GC-Oや独自開発の技術であるAROMATCH®、テイスティング-GC®を活用し、香味に寄与する重要な成分をスクリーニングしています。
さらに、極めて微量しか含まれていない成分を精製・単離・同定することで、香味への寄与を明らかにしています。
これらの研究成果は、素材開発や調香との連携を通じ、新たな香料の開発へと応用されています。当社の取り組みは、香味の本質を解明し、これまでにない価値を提供する香料の創出を目指しています。


加工食品の香気分析と課題達成への応用

私たちは、飲料・菓子・アイスクリーム・唐揚げ・ハンバーグなど、市販されているさまざまな飲食品の香気分析を行っています。食品の「おいしさ」は、味覚だけでなく香りによって大きく左右されます。しかし、その香りを構成する成分や、食品ごとの香気特性は、科学的な分析を通じて初めて明らかになります。
本研究の目的は、各商品の香りの特徴を詳細に解析し、これまで気づかなかった課題を発見することです。例えば、「この飲料の香りの印象をよりフレッシュに保つには?」「この唐揚げの風味をよりジューシーに感じさせる要因は?」といった問いに対し、GC-MS、GC-O、リアルタイム質量分析計などの技術を用いて、香気成分の組成や変化を評価します。さらに、その分析結果を基に、食品メーカーに対して最適な香気改良の提案を行い、新たな製品開発を支援しています。
香りを科学的に解明することで、食品の魅力を最大限に引き出し、より高い付加価値を生み出すことが可能になります。本研究は、食品開発の精度向上に貢献し、香味設計の最適化を通じて、食文化のさらなる発展を目指しています。


ブレイクスルーのための技術開発

「香味に寄与する成分をどのように絞り込むのか?」「より美味しい香料を作るためにはどうすればよいのか?」「人はどのように香りを感じ取るのか?」といった、研究の中で生まれる疑問や課題に対して、当社では新しい技術を開発する基礎研究に力を注いでいます。
飲食品メーカーの開発者から寄せられる「もっと美味しい商品を作りたい」という悩みや要望が、新しい技術の開発を促すきっかけとなることも少なくありません。その一環として、当社では「複合香味の評価」に注力しています。単一の香味成分が複数の成分と組み合わさったときに生じる相互作用や、飲食品を口に含んだ際の「フレーバーリリース」、香りを嗅いだときの本能的な「生理応答」など、複雑な香味にまつわる多角的な研究を進めています。
これらの研究成果は、飲食品メーカーが「より美味しいもの」を実現するための技術革新へとつながります。また、消費者に新たな感動や満足を提供することで、より豊かな生活の実現にも貢献しています。

曽田香料の分析研究

ABOUT ANALYTICAL RESEACH

複合香味の評価

香味の可能性を引き出す成分探索技術

香りは、その濃度や成分の組み合わせによって大きく感じ方が変わります。不快とされる臭いの化合物であっても、濃度を薄めることで心地よい香りやアクセントとして作用することがあります。また、匂いを感じられないほどの低濃度で存在する化合物が、他の成分との組み合わせによって強い存在感を示すこともあります。
当社では、このように複雑で繊細な香味の特性を解明するために、新たな評価技術を開発しています。この技術により、理想的な香味を実現するための成分を効果的に探索し、より優れた製品開発への道を切り開いています。

フレーバーリリース

おいしさの感じ方を解明

フレーバーリリースは、食品のおいしさを左右する欠かせない重要な要素の一つです。当社では、自社開発技術を活用し、飲食時に喉から鼻へ抜けるレトロネーザルアロマの香気バランス、香りの立ち上がり、持続性などを詳細に分析・評価しています。
これにより、飲食品のフレーバー特性を科学的に解明し、よりおいしい製品づくりを支える技術開発を進めています。

生理応答

客観的な評価への挑戦

香りを嗅いだとき、人は「おいしさ」や「心地よさ」を感じることもあれば、「まずさ」や「不快さ」を覚えることもあります。
このとき、私たちの体内ではどのような反応が起きているのでしょうか?そして、そもそも人はどのように香りを感じ取っているのでしょうか?
こうした解明されていない疑問に答えるため、当社では香りが引き起こす生理応答の計測に取り組んでいます。香りによる脳や身体の反応を科学的に解析し、その影響を客観的に捉える手法を確立しています。この研究により、香りの可能性を新しい製品開発や価値創造へとつなげることを目指しています。

曽田香料の研究・開発

RESEARCH and DEVELOPMENT

香りの力で豊かな時間や特別な体験を生み出す研究開発に取り組んでいます。最先端の技術と独自の発想を活かし、五感に響く香りや素材を創造することで、食の楽しみや快適な暮らしを支えていきます。大切な瞬間や思い出に寄り添うように、人々の毎日をもっと魅力的に彩ります。

フレーバー開発

フレーバー開発

フレーバーは、主に飲食品に使用される香料を指し、その良し悪しが製品の品質や魅力を大きく左右します。 フレーバー開発部では、お客様の求める理想の風味を実現するだけでなく、生活者の幸せや喜びにつながるフレーバーを創造することを目的とし、調香、アプリケーション、官能評価の3つの役割を担っています。各分野が連携しながら、より良い食体験を提供するためのフレーバーを開発しています。

フレグランス開発

フレグランス開発

研究開発による確かな技術と、パフューマーの鋭い感性で時代のニーズにあった香りをお届けしていきます。嗜好性の高い香りを提供することはもちろん、香りの拡散性や、残香性、ニューエッセンスなど、特徴のある香料の開発に取り組んでいます。

素材開発

素材開発

私たちの開発する「基礎香料素材」は、飲食品メーカーが直面するさまざまな課題を解決するための重要な要素です。よりおいしく、より健康的に、そしてより安定した品質で食品や飲料を届けることを目指し、独自の技術で香料素材を開発しています。

分析研究

分析研究

私たちが日常生活で感じている香りや味(香味)は、目には見えないものですが、実際には多数の化合物が極めて微量ずつ集まることで形作られています。当社では、この「見えない香味」を可視化することで、それらがもたらす価値をより深く理解し、生活を豊かにすることを目指しています。 具体的には、香味に寄与する新たな成分を発見することや、人が香りをどのように感じ取るのかを調査する研究を行っています。このような取り組みを通じて、人々に安らぎや楽しさ、感動を届ける香りや味の開発を進めています。

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