ヒト嗅覚受容体を用いた香りの相互作用の研究
2022.09.08 分析研究, 研究トピックス
我々が日常的に感じている香りは、いくつものにおい分子が複雑に混ざり合った複合臭であり、その中で香りの相互作用が引き起こされていると考えられています。
香りの相互作用は官能による評価はできていましたが、そのメカニズムに関しては分かっていないことが多いため、我々はヒト嗅覚受容体を用いたアプローチでそのメカニズム解明に取り組みました。
今回、大阪大学、株式会社香味醗酵との共同研究により、複合臭に対するヒト嗅覚受容体応答を解析したところ、その応答パターンは単純な足し算だけでなく、応答の増強と抑制の影響を受けていることが示唆されました。本研究によって、我々が感じている香りの相互作用のメカニズム解明に繋がるヒントを見出すことができました。
研究成果は、論文名「Effects of 3-octen-2-one on human olfactory receptor responses to vanilla flavor」として、Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 2022, vol. 86, issue 11, p. 1562-1569[1]に掲載されました。