香りが拓く新しい価値創造 〜食体験を支える技術〜
2025.12.15 フレーバー開発, 香料コラム
近年、香りは医療や福祉の分野でも新たな価値を生み出しています。特に、食事が困難な方々に「食べる楽しみ」を届けるため、香りとテクノロジーを融合した食体験の開発が進んでいます。
嚥下障害を持つ方は、流動食や胃ろうによる摂取が中心となり、食事そのものの楽しみを感じる機会が限られてしまうことが多くあります。こうした課題に対し、香りを活用した新しいアプローチが注目されています。
たとえば、北里大学発ベンチャー「見目工房」によるミラッジオや、株式会社電通によるファントムスナックといった技術は、マウスピース型やこめかみ装着型の骨伝導スピーカーと香りを組み合わせることで、食事動画や咀嚼音、香りが連動し、実際に食べているかのような体験を提供します。これらの装置には、当社が開発した「コーラ」「唐揚げ」「しょうゆラーメン」「桃」など多様なフレーバーが活用されており、参加者の表情や咀嚼動作、唾液量に変化が見られています。香りが食の楽しさや意欲を引き出す重要な要素であることが、実際の体験を通じて再認識されています。
このように、香りは食事に困難を抱える方々の生活の質の向上や社会課題の解決にも寄与しており、視覚・聴覚・触覚に加え、嗅覚(香り)を組み合わせることで、よりリアルな食体験の再現が可能となっています。当社は今後も香りの力を活かし、健康・福祉・教育など多様な分野で新たな価値創造に挑戦し続けます。

ミラッジオ詳細 :https://kemmokukobo.com/
ファントムスナック詳細:https://dentsu-ho.com/articles/8546