分析研究
生理応答

客観的な評価への挑戦

香りを嗅いだとき、人は「おいしさ」や「心地よさ」を感じることもあれば、「まずさ」や「不快さ」を覚えることもあります。このとき、私たちの体内ではどのような反応が起きているのでしょうか?そして、そもそも人はどのように香りを感じ取っているのでしょうか?
こうした解明されていない疑問に答えるため、当社では香りが引き起こす生理応答の計測に取り組んでいます。香りによる脳や身体の反応を科学的に解析し、その影響を客観的に捉える手法を確立しています。この研究により、香りの可能性を新しい製品開発や価値創造へとつなげることを目指しています。

曽田香料の生理応答研究

PHYSIOLOGICAL RESPONSE

胃電図 香りが食欲や消化に影響を及ぼす?

食べ物を口に入れて噛み、飲み込み、消化する――「食べる」ことは、生きるうえで欠かせません。
この一連の流れの中で、美味しそうな香りを嗅いだだけでも、胃酸が分泌されることが知られており、胃の運動が活発化すると予測されます。
このような香りと胃の関係を明らかにする手がかりとして、私たちは胃から発せられる電気信号を測定する「胃電図」に着目しています。胃電図の解析を通じて、「食べたい」と感じさせる香りの可視化が可能になると期待されています。
今後も、食欲を増進させたり、満足感を持続させたりするフレーバーの開発に向けて、研究をさらに進めていきます。

嗅覚受容体香りを認識するセンサーで複合香の謎に迫る

ヒトは香りをどのように感じ取っているのでしょうか。鼻の奥には、香りを認識するセンサー「嗅覚受容体」が存在します。
ヒトには約400種類の嗅覚受容体しかありませんが、数十万種類ともいわれる香気成分を識別することができます。
これは、1種類の受容体が複数の香気成分を認識し、また1種類の香気成分が複数の受容体と結合するという“多対多”の関係によって、
香りの情報がパターン化された電気信号として脳に伝えられるためです。さらに、香気成分の組成だけでなく、その濃度や成分間の相互作用によっても、このパターンは変化します。このように嗅覚の仕組みは複雑なため、多くの謎を残す研究分野とされています。
当社の研究では、独自技術AROMATCH®を用いた解析により、複合香における香気の増強や抑制といった現象が、嗅覚受容体レベルでの応答の変化によって引き起こされている可能性を示唆しました。

生理応答に関する
投稿を見る

曽田香料の研究・開発

RESEARCH and DEVELOPMENT

香りの力で豊かな時間や特別な体験を生み出す研究開発に取り組んでいます。最先端の技術と独自の発想を活かし、五感に響く香りや素材を創造することで、食の楽しみや快適な暮らしを支えていきます。大切な瞬間や思い出に寄り添うように、人々の毎日をもっと魅力的に彩ります。

フレーバー開発

フレーバー開発

フレーバーは、主に飲食品に使用される香料を指し、その良し悪しが製品の品質や魅力を大きく左右します。 フレーバー開発部では、お客様の求める理想の風味を実現するだけでなく、生活者の幸せや喜びにつながるフレーバーを創造することを目的とし、調香、アプリケーション、官能評価の3つの役割を担っています。各分野が連携しながら、より良い食体験を提供するためのフレーバーを開発しています。

フレグランス開発

フレグランス開発

研究開発による確かな技術と、パフューマーの鋭い感性で時代のニーズにあった香りをお届けしていきます。嗜好性の高い香りを提供することはもちろん、香りの拡散性や、残香性、ニューエッセンスなど、特徴のある香料の開発に取り組んでいます。

素材開発

素材開発

私たちの開発する「基礎香料素材」は、飲食品メーカーが直面するさまざまな課題を解決するための重要な要素です。よりおいしく、より健康的に、そしてより安定した品質で食品や飲料を届けることを目指し、独自の技術で香料素材を開発しています。

分析研究

分析研究

私たちが日常生活で感じている香りや味(香味)は、目には見えないものですが、実際には多数の化合物が極めて微量ずつ集まることで形作られています。当社では、この「見えない香味」を可視化することで、それらがもたらす価値をより深く理解し、生活を豊かにすることを目指しています。 具体的には、香味に寄与する新たな成分を発見することや、人が香りをどのように感じ取るのかを調査する研究を行っています。このような取り組みを通じて、人々に安らぎや楽しさ、感動を届ける香りや味の開発を進めています。

ページTOP